華西街観光夜市は台北市萬華区華西街にあり、桂林路より2エリアに分けられ、長さ約150メートル、面積約900平方メートルから成っています。 士林や饒河など一般の屋外型夜市と異なり、中国伝統の古典式牌楼建築(装飾用の屋根つきのアーチ型の建物)の入り口をくぐると中は立派なアーケード街になっています。
天井からは灯篭がぶりさげられ、雨天であってもアーケード内はいつも明るく照らされ活気に満ち溢れています。雨天でもOKなのは、ロングステイには強い味方ですよね。お店も屋台と言うより、常設の店舗といったイメージです。
ここには品質とブランドに自信を持った老舗店舗だけでなく、高級レストランやかなり有名なお店も点在し、日本人観光客に人気のある台南担仔麺の名店もここが発祥の地となっています。16:00から24:00までの営業ですので、ロングステイ中、夜の時間を持て余すことはありませんね。
華西街夜市の歴史
華西街観光夜市のある萬華地区は、台北市の西南部に位置し、台北の中で最も早くから発展してきた場所の1つなんですよね。「萬華区」とは行政区としての名称であり、もともとの「舟孟舟甲」(舟へんに孟、舟へんに甲)という地名は、現在は萬華区の一部として属しています。
通常地名として「萬華」を語る時は、旧称の「舟孟舟甲」の一帯を指すことが多いようですね。そもそも「舟孟舟甲」とは、台湾原住民の凱達格蘭(Ketagalan)の言葉で「丸木船・丸太舟」という意味があり、かつてここは漢民族と原住民との取引で繁栄していた貿易港としての役割を担っていた場所でした。
日本統治時代、「舟孟舟甲」の発音が日本の「萬華」に似ていたため、故郷を懐かしむ日本人によって現在の「萬華」に改名されました。
当時、新荘の河口堆積の被害や、水利や土地の争いなどを原因として部落や労働者集団間による武力闘争など頻発していて、それらを逃れるため泉州などからの移民がどんどん増えていました。それによって小さな市街が形成され、台北で最も歴史のある市街地へと成長したようです。
蛇養生料理で有名な夜市
その後、道光・咸豊年の間には、華西街北部の埠頭に近いという性格上、船頭や港湾労働者らが滞在するエリアとなり、その影響で遊郭や酒場が立て続けにオープンしていきます。
そのような街の性格に合わせるかのように、「以毒壮陽」(蛇の毒をもって滋養強壮、疲労回復、体力増進、強精すること)を看板にした蛇店、すっぽん店などが出現し、これが華西街観光夜市を「蛇街」として国内外に広めた要因の一つとなったようですね。
早期の蛇店は、絶妙な掛け声で観光客の好奇心を掻き立てながら蛇殺しのライブパフォーマンスや闘蛇のショーを行っていましたが、近年では、野生動物保護法の規制や国家の品格が考慮され、以前のような勢いはないようです。
それでも、蛇料理店は依然として沢山のお客さんを惹きつけて止みません。その理由は、やはり蛇養生料理の効能なんでしょうね。蛇の肝は目に効き、蛇スープは皮膚疾病を治し、蛇の血と蛇酒は内臓の働きを活発にし、疲労回復の効果ももたらすと言われています。試してみたい方はロングステイ中にぜひに・・・
華西街夜市のその他の見どころ
もちろん、屋台は蛇養生料理だけではありません。30数年の歴史を持つ台南担仔麺や、盛りだくさんの各種台湾小吃も食べられますし、山の幸から海鮮物のほか、ユニークな宝石類、観光客のための記念品やみやげ物などなど、非常に品揃えが豊富なんです。
食べ歩きや散策に疲れたら、マッサージチェアーに座り足裏マッサージを受けるのも悪くないですよね。夕暮れ時になると、ガイドブックを片手に持った海外からの観光客の姿が見受けられ、一層の賑わいを楽しむことができます。
さらに華西街夜市を訪れた際には、蛇料理や台湾小吃だけでなく、龍山寺のこともお忘れなく!中国本土から移民してきた漢民族によって建てられ、およそ100年の歴史を誇り、今でも地元の文化的象徴になっています。史跡探訪がロングステイテーマの方には、こちらもおすすめですね。
龍山寺周辺には、薬草を販売する青草市場や戦前からの町並みの風情が残る番薯街など、懐かしさの漂うスポットも点在しています。ちょっと変わった性格の夜市という印象ですよね。ロングステイ中にぜひぜひ体験されてみてください!