牛伯伯胡蝶園とは
台北県の新店安康路に「安康胡蝶生態教育園区=牛伯伯胡蝶園(牛伯父さん蝶々園)」という非常にたくさんの蝶々が飛び交う場所があります。台湾にロングステイしている間に、ぜひぜひ訪れていただければと思われる場所です。
ここは小さいながら、蝶々のための生態園なんです。非常にたくさんの種類の蝶々を見ることもロングステイの思い出に成り得るんですが、同時に、地球環境・自然環境について真剣に考える絶好の機会でもあるんですね。
ロングステイのテーマとしても、相通じるものがある方もおられるんではないでしょうか。
こちらの牛伯伯胡蝶園、入場料などは一切とっていないんですね。つまり、所有者である牛伯父の私財とボランティアだけで成り立っているんです。
牛伯父さんって?
この蝶々園には、蝶々をこよなく愛し、真っ直ぐな理想を抱いたある年配の方が住んでいます。ここの主人でもあるこの年配の方は、頭に角が生えているわけでも、「牛」と言う苗字でもないんですが・・・人々は彼を「牛伯父さん」と呼ぶんですね。
そう呼ばれようになったワケは、どうやら牛伯父さんの大学時代にまでさかのぼるようです。
通称牛伯父さんと呼ばれる蝶々園のご主人の本名は「呂輝璧」です。彼が、牛伯父さんと呼ばれるようになった理由は、大学時代、走る姿が「牛」に似ていたらしく、その様子を常々見ていた友人が「牛パパ」というニックネームを付けたのが由来のようですね。
それが、段々歳を取っていくうちに、「牛パパ」が「牛伯父さん」に変わっていったようです。
牛伯伯胡蝶園がスタートするきっかけ
牛伯父さんは台湾大学の化学工学部を卒業後、化工関係の仕事に従事し、自分で工場を経営したりしていまいた。事業はうまくいき、生活はかなり潤っていたようです。
ですが、そんな牛伯父さんこと、呂輝璧さんの人生を一変させる出来事が起こります。
1981年、現在の蝶々園がある牛伯父さんの所有地の上方エリア付近で何者かが不当開発を行っていたことが原因で、大規模な土石流が発生してしまったんです。
その結果、たくさんの蝶々が飛び交っていたはずの豊かな生態系が一瞬のうちに破壊され、荒地と化してしまったんですね。
目の前で、その後ますます破壊されていく自然生態、そしてますます減っていく蝶々の姿・・・牛伯父さんはたいそう心が痛んだそうです。
もしこのまま台湾の自然が破壊され続ければ、いろんな場所で土石流が起こり、台湾の行く末はいったいどうなってしまうのだろうか・・・人間は自然に生まれ自然に戻っていくものだから、大自然との共存を真剣に考えなければならない。
今すぐ台湾の環境保護を始めなければ、”麗しき台湾”はやがて歴史に変わってしまう・・・牛伯父さんはこのようなことを痛感するようになっていったんです。
(牛伯伯胡蝶園 自然と蝶が大好きなロングステイ派へ Vol-2 へ続く)
*呂輝璧さんの「璧」という字は、日本語の「カベ=壁」という漢字ではありません。下の部分が「土」ではなく、「玉」 になっていて違う漢字です。読み方は「へき」となります。